スイス旅行記11~ゴルナーグラートにて - Photography
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Dachi

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(前々回の記事より続く)

ゴルナーグラートは、ツェルマットからゴルナーグラート鉄道を使って登ることができる尾根です。ツェルマットから3,089mの標高地点にあるゴルナーグラート駅まで、1,500mの標高差を一気に駆け上がって行きます。

3,089mという標高は、この先に出てくるユングフラウヨッホ駅(オーバーラント三山)や、エギーユ・ドゥ・ミディ駅(モンブラン)に比べれば低いのですが、それでも気を付けないと高山病になるような標高。徐々にゆっくり標高を高めながら高度順応するのではなく電車で一気に高山帯まで上がることになるため、高山病予防のために、大声を出したり走ったりすることは避ける必要が出てきます。

これがゴルナーグラート鉄道(@リッフェルベルク駅)です。



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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



一見、普通の電車に見えますが、かなりの急勾配を登るため、ラックレールと呼ばれるギザギザのレールが通常の二本のレールの間に設置されており、電車はこのギザギザに歯車を噛み合わせてトラクションと制動力を得る仕組みになっています(下の写真)。ゴルナーグラート鉄道のラックレールは、「アプト式」と呼ばれるものです(鉄道好き以外にはどうでもいいネタですね・・・子供の頃、図鑑を見て記憶していた単語だったため、つい使ってみたくなりました(笑))。


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Coolpix P5100



さて、この日は朝から雨。時折雷鳴も聞こえます。テンションは下がり気味ですが、「山の天気は変わりやすい」という経験則に一縷の望みをかけ、鉄道で尾根を登り始めます。途中までは完全に雨雲の中でしたが、ある程度登ったところで低層の雨雲の上に出ました。ちょっと青空も見え始めています。これは期待できるかな、という気持ちが徐々に高まってまいりました。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



更に標高を上げ、森林限界を越えて登って行きます。中央奥に見える建物(ホテル)がある場所は、リッフェルベルク駅(2,582m)。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



電車に揺られること数十分、ようやくゴルナーグラート駅に着きました。天候のためか、時折風速数十メートルはあろうかという突風が来て、体感温度は非常に寒いです。やはり高山地帯は過酷です。ここから徒歩でもう少し登ります。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



駅と併設されているホテル&ショップの建物を見下ろした構図。こういう場面では、14-24mm超広角ズームと三脚を持参していたらなぁ、と心から思いました。とはいえ、今回の旅行における山岳観光時には、ほぼ全ての場所で雨にたたられたので、保護フィルターが着けられない出目金レンズの14-24mmを持参していたら、それはそれで大変なことになっていたのですが。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



谷底を見下ろすと、そこには雄大なゴルナー氷河があります。モレーン(氷河が流れる際に削り撮った土砂の堆積物)がすごいです。この削れた土砂のために氷河を源流とする川の上流部は白く濁った水になります。一方で、水に混じっている細かい土砂が沈殿すると、恐ろしいほど青緑色の水になるのもまた氷河由来の水の特徴です(氷河湖において顕著に見られます)。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



このサイズの写真ではイマイチ氷河の途方もない大きさが伝わりにくいのですが、下の写真の左手の斜面にうねうねと見える筋が登山道であると言えば、スケール感が具体的に想像できますでしょうか? ちなみに、雨雲のために山頂が見えませんが、この写真で2つの氷河に挟まれた中央部分の奥に、欧州で二番目に高い山「モンテ・ローザ」(4,634m)があります。その裏側はもうイタリアです。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



一通りゴルナーグラートからの眺望を楽しんだ後は、一つ下の駅であるローデンボーデンまで降りて山歩きを開始。中央やや右寄りの奥に見えるのがマッターホルンですが、残念ながらこのとおり、上半分が隠れてしまっています。ちなみに、正面の岩塊は「リッフェルホルン」という峰で、マッターホルンに登ることを希望する人が真に登り切る力を備えているかどうかをテストするために使用される山だそうです(これくらいのロッククライミングはできないとお話しにならない、ということらしいです)。また、手前の湖(リッフェルゼー)は、天候がよく風が凪いだ時には「逆さマッターホルン」が見れる有名な場所です。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



この写真を撮った直後、土砂降りの雨が降り始めるとともに、近くで盛大に雷が鳴り始めたため、生命の危険を感じて山歩きを断念し再びローデンボーデンまで退散(本当に高山帯は身を隠す場所がありません)。雨宿りも兼ねて、リッフェルベルクまで降りて昼ご飯をいただくことにしました。

昼ご飯を食べ終えた頃、もう一度晴間が姿を覗かせてくれました。
これはリッフェルベルク駅から少し歩いたところにあるスキーリフト降り場のあたりから撮ったもの。願わくば、いつかウインターシーズンにまた訪れて、この雄大な景色を見ながらスキーを楽しみたいものです。


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D800+Ai AF Zoom-Nikkor 18-35mm f/3.5-4.5D If-ED



結局、この日はまた雨が降ったりで、マッターホルンの全容を拝むことは叶いませんでした。とはいえ、ゴルナーグラートに登っている間は雨が止み、これだけの山岳風景を堪能できたのでそれなりにお腹いっぱいになりました。マッターホルンを見るチャンスはもはや出発日の早朝のみとなりましたが、果たして結果はどうだったか?請うご期待!

次回、マッターホルンの雄姿編に続きます。
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Comments 4

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purotoko  

「逆さマッターホルン」とありますが、私はスイスに行って最初で最後になりますが朝焼けのマッターホルンと
逆さマッターホルンを拝むことができました。私のブログのカテゴリーの過去の写真集をクリックしてもらえれば撮ってきた写真を見ることができます。

2012/07/21 (Sat) 19:18 | EDIT | REPLY |   
椿の茶屋  

こんばんは。

森林限界を超えた稜線の天候急変はこわいですねー、隠れる場所なし
ですから。特に雷雨は。しかしひと休みしている間にすぐ晴れてきちゃう
のもやはり山ですね。

2012/07/21 (Sat) 22:58 | EDIT | REPLY |   
Dachi  
Re: タイトルなし

こんにちは。
マッターホルン写真拝見いたしました。purotokoさんが行かれた時は天候に恵まれたようでうらやましいです。
まぁ、こればっかりは運ですよねぇ。。。とはいえ、朝焼けはこちらもばっちり撮れましたので、次回アップさせていただきますね。

2012/07/21 (Sat) 23:50 | EDIT | REPLY |   
Dachi  
Re: タイトルなし

こんばんは。

はい。雷雨は非常に怖かったです。
山岳地域は、朝は晴れていても日が昇るにつれて上昇気流で雲がもくもくと出てきて、午後には通り雨、というパターンが多いようですね。スイス山間部に住んだら、とても洗濯物を干したまま外出などできなそうです(笑い)

小型軽量レンズも買ってしまったことですし、今回の経験を機に、国内でも山歩きもちょっとはたしなんでみようかなぁと思う今日この頃です。

2012/07/21 (Sat) 23:55 | EDIT | REPLY |   

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