2020東北GT:⑤二度あったことは三度あってはならない!? - Car Life
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Dachi

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【Day 3:後編】

久慈を発ち、R45を辿って南下を始める。海沿いの入江まで下っては再び崖上に登る、というリアス海岸線特有のアップダウンサイクルを経て野田村を南に走っていく。途中、津波浸水区域(ここから/ここまで)を示す看板を嫌というほど見た。

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このあたりは未だ工事区間が多くトラック便も走るため、ペースが落ちるのはやむを得ない。「社会科見学」のための移動の時間と割り切って辛抱の運転を続ける。普代村に入り、R45を離れてK44へ。一気に交通状況が改善し、まずは陸中海岸エリア最初の目的地に向かう。

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それは、R45から分かれてから程無くして姿を現した。普代川河口部に鎮座する普代水門である。
1984年に完成されたこの水門は、当時の村長が明治三陸地震時の伝承を踏まえた「15m超」という高さに拘り、「過剰に過ぎる」との周囲の反対の声を押し切って建設したものであった。東日本大震災による津波到来時には上部越水が発生したが(2つ上の写真の堤体上部の青い表示箇所参照)、堤体は崩壊せず津波の勢力を大きく減殺し、上流側居住区の浸水被害を完璧に防いだ奇跡の水門である。防潮施設としては、「万里の長城」と評された宮古市田老地区のものの方がはるかに有名ではあったが、田老の長城(堤体高10m)が津波で崩壊したのに対してこちらはほぼ無傷。5mの高さの差が明暗を分けたのであったから、当時の普代村長和村氏が慧眼だったというほかはない。現地には和村氏の言を記した記念碑も残っていて、曰く「二度あったことは三度あってはならない」。奇しくも、このGT記①の冒頭で自分が述べたことと真逆である(笑) それはさておき、この水門にまつわる故事は、リーダーシップとはいかにあるべきかを雄弁に物語っているといえよう。

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普代水門に別れを告げ、K44を更に進む。次に向かったのは、隣接する田野畑村が有する本邦随一の海岸景勝地「北山崎」である。

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断崖高、なんと200mである(写真ではなかなかスケールが伝わりにくいが、岩に生えている松の木の大きさとの対比でみていただきたい)。まさに陸中海岸のハイライト。800余段の遊歩道を下れば海岸線まで降りられるとのことだが、まだまだこの先の行程は長いので、途中の第二展望台までとした。

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このあたりのK44は非常に良い道。北山崎から10km強の行程で次に向かったのは鵜の巣断崖であった。

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ここも200m級の断崖が続く景勝地であるが、不規則に荒々しい岩塊の景色が続く北山崎と比べると、こちらは規則正しい浸食が印象的な断崖である。太陽を背にしたアングルで撮影できたので偏光フィルタを使って水面の反射を除去してみたところ、本来の美しい碧色の海を写真に収めることができた(明らかに本州南部の黒潮の海とは異なる色である)。

さて、これでこの日の「社会科見学&観光プログラム」は終了である。時刻は3時になろうかというところ。この日の投宿地は宮古なので、R45をそのまま南下するのが自然な選択肢となるが、此度の旅は単なる観光旅行ではなくあくまでツーリング旅なので、これで終わる訳にはいかない。ガソリンを満タンにしてこの日最後の、そして恐らく本ツーリングのハイライトとなるであろう迂回行程に向かった。

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鵜の巣断崖からK44経由で再び内陸部に向かう。そしてR455で「龍泉洞」で有名な岩泉へ。「道の駅いわいずみ」でショートブレイクを挟み、更に西へ。

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突き当たったR340を南に進み、そこから更にK171へとスイッチ。K171は改良区間と狭隘区間が交互に姿を現す、大川の渓流沿いを走る山あいのカントリーロード。旧岩泉線の廃線跡とも絡みながら、岩泉町大川・釜津田地区の小集落を抜けていく。釜津田中学校を超えた先で、交差する林道を左へ入った。

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ここは、午前中に走った八戸川内大規模林道の最南端にあたる区間。全行程中、山の中を走るのはこれが最後になるので、噛み締める様に北上山地随一のドライビングルートを楽しんだ。

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この大規模林道のハイライトとなるセクションまでやってきた。こういう光景を期待していたが、思いのほか枝葉が茂っていて眼下の絶景を望むことができなかった(残念)。携帯電波も入らず、人の気配などまるで感じない場所。夕日に照らされ周囲の山々の紅葉が美しく映える幻想的な風景であったが、陽が沈もうとしている中でこれだけの山奥にいるとなると、些か不安感も芽生えてくる。再びクルマに乗り込み、エンジンに火を入れる。ここから終点であるR106 との交差点まではずっと下りのワインディング。独り占めの紅葉風景を楽しみつつ、名残を惜しみながら一気に駆け抜けた。ここから先は川井住田大規模林道が遠野まで続いているが、それはまたの機会に。

以降は、R106を東へ。JR山田線と並走しながら30km強の行程を走り宮古の市街に至った。予約していた「宮古ホテル沢田屋」にチェックインし、近隣の居酒屋に繰り出す。宮古では旨い魚介を食べようと目論んでいたのだが、昼に特大海鮮丼を食べたこと、かなりの距離を走ってきて疲労が蓄積していたことから、どうも食欲がない。「酒と肴 千」という店に入り、カサゴの刺身をいただいた後は塩辛で焼酎をちびちびと飲み、早めに退散。

以上、十和田湖から始まり陸中海岸を経て北上山地を回りながら再び沿岸部の宮古に至ったこの日の走行距離は302km。平均燃費は8.4km/Lであった。

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Comments 2

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ていしあ  

こんばんは。
これは、盛りだくさんのルートでしたね。普代付近は私にとって空白地帯になっているので、とても参考になるルーティングでした。

素晴らしい紅葉にもかからわず、思い切り走れるというのは関東では考えられませんね。東北バンザイです。

2020/11/06 (Fri) 19:02 | EDIT | REPLY |   
Dachi  
To ていしあさん

ていしあさん こんばんは。

今回はどうしても陸中海岸を行程に入れたかったのですが、それがために行程プランの造りこみは大変苦労しました。
程良い走行距離かつ内容もそれなりに充実したデイリープランを4日分揃えるのに一週間近くかかってしまいましたが、ちょっと前の記事で書かせていただいたように、これもまたツーリングの楽しみの一部なんですよね。

東北は本当に道が混まなくて良いです。とはいえ、今年はコロナで「水揚げ」が少ないせいか、思わぬところで取り締まりをやっていたりもしたので、くれぐれも安全運転で楽しんできてください。

下北からのツーリング開始とのこと、この先の行程を楽しみにしております。

2020/11/07 (Sat) 00:19 | EDIT | REPLY |   

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