Farewell - Car Life
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Dachi

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9月某日、身支度を整えて車庫に向かい、自分のパレット番号を押ししばし待つ。程なくしてシャッターが開き、そこにはいつものようにシルバーストーンのM3が佇んでいた。フロントドアを開け運転席に乗り込みエンジンスタートボタンを押す。僅かなクランキングの後に4リットルV8エンジンが目を覚ます。ここから出たら、もう二度と戻ることはない、片道切符のドライブの始まりだ。

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道中は混雑もなく極めて順調。急ぐ必要はない。8年に及ぶ濃密なカーライフの締めくくりを、余韻を持って味わおう。本来のランプよりも手前で高速出口を降り、少々遠回りをして目的の場所に着く。待ち受けていた担当の方と笑顔で挨拶を交わし、これまで手塩に育てた我が子を託すようにキーを預ける。名残はあるが、担当の方の「本当にこのクルマが好きな方に買っていただけるよう頑張ります!」の言葉に救われた気持ちになる。燦燦と輝く秋の太陽に照らされたM3は、心なしか誇らしく佇んでいるように見えた。その様子を見て、晴れ晴れとした気持ちでM3を卒業できそうな気がした。

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・・・もう1ヶ月近く前のことですが、8年間のカーライフを共にしたM3とお別れしました。子供が産まれる際にチャイルドシート装着のしやすさを口実に導入した、人生初の4ドア車。周囲からは「そういう動機で(通常モデルより乗り味がハードな)M3を購入する人間は初めて見た(笑)」と揶揄されましたが、私にとってはまさにドンピシャの、サイズも持て余さない大きさで、ファミリーカーにもなり走っても満足できる究極のマルチパーパス車でした。現在の各メーカーの新車ラインナップから同等以上の美点を持つ乗り換え候補を探そうと思っても、もはや選択肢はないに等しい状況です。では、なぜ降りたのか?

内燃機関からEVに向かう大きな潮流の中で、魅力的な純内燃機関車がどんどん減ってきています。過度な安全性や利便性への配慮から、クルマはどんどん大きく重く、かつ(私にとっては)不要な機能満載で高くなる一方。また、操作時のダイレクト感が減少し、人が操るというより車に乗せられていると感じるような感覚のクルマが増えてきています。まだ楽しめるうちに、ドライバーが主役になれる純内燃機関車、それも純内燃機関車としての走る楽しみをより前面に出したクルマを選んでおきたいというのがその大きな理由でした。

M3もそういった意味ではいい線をいっていたのですが、如何せん重い。重さは挙動・燃費・消耗品の消耗度合い等全てにネガティブに影響しますからね。ハイブリッドやEVに対する純内燃機関車の大きなアドバンテージの一つは軽く作れることなので、快適性を過度に損なわない範囲で軽さに拘ったクルマに乗ってみたいと思うようになった次第です。そして、長距離ドライブは諦めるとしても、中短距離なら大人2人+子供1人で乗れるというところにも拘ってみました。加えて言うなら、これまで一貫して乗ってきたFRという駆動方式以外の駆動メカニズムを持つクルマにもトライしてみたい。なぜなら、そういったクルマの挙動の素晴らしさをこれまでいやというほどツーリングの中で見せつけられてきているからです。そうやって候補は必然的に絞られていきました。

次回に続きます。
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